音 羽 米
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音羽の里の農家の想い
愛知県三河の四方を山に囲まれた、清流沿いの田んぼで育つ音羽米。
自然や人、子どもたち みんなにやさしい農業を目指し、
種作りからはじめ、苗を育て、たっぷり手をかけて育てています。
安全で豊かな食、豊かな環境を人と未来へつなぎたい、
作り手と食べる人たちの想いがひとつになり、一歩一歩進んで来ました。
すっきりした優しい味わいのお米は、「山里」とみんなの「想い」が自慢です。
音羽米の歴史
30年前になりますが、一人の主婦(伊藤玲子さん)が農薬を削減した米作りをしてくれないか、と頼みに来たところから始まります。米農家の名前は農業に生きる男、農生雄(のぶお)と言います。有機農業者は1人だけでは環境問題は解決できない、将来は減農薬の生産者を100人にしたい、食べる消費者を組織したい、という申し出に、農生雄が意気投合し、減農薬の米作りが始まりました。(※音羽町の米作りに着目されたのは、地域の分水嶺内にゴルフ場もなく、米作りには地域を囲む山からの水のみを使っていることがありました)
当時はまだ、米の流通を国が管理する「食管法」の時代です。ようやく当時の「特別栽培米」制度が始まり、行政から認められれば消費者が直接に生産者から購入できるようになった時期で、音羽米は愛知県の特栽米制度の申請第2号でした。(※音羽米を食べる消費者を増やそうと、伊藤玲子さんが生活クラブ生協に取組みの申し出があり、その後の音羽米の共同購入に繋がっています)
それまでは慣行栽培でしたので、農薬は18回成分、化学肥料100%でした。まず初年度は約50俵、いずれ200俵にしていこうところから始まった音羽米ですが、30年後の現在は、それをはるかに超えて、生産者は約100人に、生産量は4200俵になり、音羽地区の耕作面積の約5割の水田にまで広がりました。現在の栽培方法は、農薬成分回数は4回、本田は有機肥料100%となり、食味も高い水準です。
種作りからはじまる音羽米
音羽地域は中山間地になるのですが、そういった地域では米はイモチ病に掛かりやすいのが課題でした。愛知県農業試験場ではいもち病と縞葉枯れ病の抵抗性を持ったコシヒカリ愛知SBLという品種を開発し、生産者を探していました。これは音羽地域に適した性質であり、食味もとてもよいのが特徴です。3年間の導入実験を生活クラブ生協とともに進め、本格導入しました。
しかし制度上、県が奨励品種にできなかったため、地域限定品種として認定農協管内で採取圃場を作り、県からの委託事業として、種子生産ができるようになりました。
(※具体的には、2年間を掛けて、各生産者に種籾を配布します。まず愛知県農業試験場から原種の種をもらい増やします。翌年に本田に配る籾を生産します。)
種子の生産は、通常の食用より手間のかかる部分もあります。稲刈り後の乾燥(水分14.5%)は食用品種よりもゆっくりと時間を掛けて乾燥させます。そして、脱ぼう機を通し、整粒し発芽しやすいように揃えていきます。
日本の米作りを取り巻く環境
今日、日本の米作りには、様々な問題が生じています。
日本はお米に高い関税をかけることで国内生産を維持してきましたが海外からは、コメの市場開放を強く迫られております。また国内に目を向けてみると、各生産地における米のブランド化により、さらに競争を激化させています。さらに生産者の高齢化、人口減少によるコメの消費減少などのさまざまな問題を抱えています。
しかし、科学技術の進歩による自動運転や農業用ドローンなどのテクノロジーを利用することによって生産の効率化を進めることができます。音羽米は、新しい技術を取り入れ生産性を上げるとともに脈々と受け継いできた日本の米作りを後生に伝えていくことが使命だと考えています。
これからの音羽米
私たちは、農家が作物を生産し販売といった一般的な活動だけでなく、さらに再生可能エネルギーを利用することによる更に一歩進んだ活動を進めています。
音羽地区の田んぼと田んぼの間のあぜが比較的広いといった特徴があります。そのスペースを利用して太陽光パネルを設置し、環境にやさしい電力を生み出しています。この環境にやさしいエネルギーを使用して音羽米生産に必要な電力をおぎなっています。また、現在農薬は慣行のお米作りの3分の1まで減らし、今後さらに減らし、できるだけ“使わない”米作りを目指しています。私たちは、これから音羽米の生産を通じて農業で地球環境を守ってゆくことを目指します。